
先週も見ていたSinger 2018、JessieJはマーヴィン・ゲイの「Ain’t no mountain high enough」を歌って3位でした。
原曲よりもスロー目で途中でテンポも変わるので歌うのが難しいアレンジだと思いますが、流石に素晴らしいです。
でも個人的にはこのアレンジがちょっと古く感じて好きになれず、いまいちでした。
最後にJessieのWho you are を歌うかもと噂があったKZは、実際は別な曲を歌っていました。
今回が最後の出演ということもあり、チャーリープースの「See you again」を中国語で歌っています。
最初に中国語で歌った時はものすごくナーバスになっていたのですが、もうすっかり板についた感じが素晴らしいですね。中国語でラップもしてるし。
KZは残念ながら敗退しましたが、今後中国語圏でも人気が出るのではないでしょうか。
今回の一位はテングリさんでしたが、歌のうまさやアレンジというよりも盛り上げでかったようなところがあり、今回は全体的に好きなステージはありませんでした。
この番組を見ていると、ステージや音楽というのはその地域の文化や雰囲気によるものだというのを強く感じます。
技巧的な上手さだけであればJessieJやテングリさんが上位に来て、Episode8で1位になった汪峰さんが上位に来ることはないと思います。
でも日本や中国は西洋の文化と自国の文化が両立していて、日本語や中国語など自国の言葉で歌われる曲がチャートの上位に来ることが多いですし、その時の時代や個人的な想い出と深く結びついています。
このため、いかにジェシーやKZが上手い歌を歌おうと、観客は自国の歌手の自国の歌の方により心が動かされることが多いと感じます。
ヨーロッパやアメリカのチャートを見ていると結構曲が共通していることが多く、ドイツなどでもドイツ語ではなく英語の曲がほとんどです。
こういった場合はフランスに行ってもドイツに行っても共通の曲や歌手の話題で盛り上がれたり、国を超えて同じ価値観を共有できるという良さがありますが、
日本や中国のように自国の歌の文化が確立していると、自国の音楽カルチャーと西洋の音楽カルチャーの両方をそれぞれ別なものとして楽しめるという良さもあります。
もしヨーロッパでこの番組があったとしても、今期のこの番組のような順位の読めない面白さは生まれないでしょう。
また、中国の自国の歌手だけであったとしてもこんなに質の高い・素晴らしいステージが生まれる番組にはなっていなかったのではないでしょうか。
自国の確立された音楽業界の中に、ヨソモノとして海外の上質なアーティストが混ざることがこのSingerという番組をより面白くしているところだと思います。
そう考えると、自国の文化がしっかり残っていると言うのは(時にガラパゴスとも言われてしまいますが)結構贅沢なことですね。
そして時々、そういう文化の壁を超えて、全員が素晴らしいと感じるようなパフォーマンスが飛び出すのもこの番組の面白いところだと思います。
Episode11のJessieJは映画「ムーラン」のテーマ曲「REFLECTION」を歌うようです。
原曲を歌っているのはレ・ミゼラブルやミス・サイゴンでも知られるレア・サロンガで、こちらもすごく素敵な曲なので、どんなアレンジをされるか楽しみです。