吉田秋生の鎮魂と再生:海街diary

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

久しぶりに吉田秋生の作品を読みました。
私の中で吉田秋生といえば『BANANA FISH』。毎巻ぐううと唸って泣きそうになるような切なさがあってとても好きな作品ですが、今でも読み返して泣いてしまうのは、アッシュの最後ではなく、ショーターが死んだ時でもなく、全てが終わった後のANOTHER STORY『光の庭』だったりします。

大人になった英二がいてシンがいて、何も知らない暁がいて。
『光の庭』は作者いわく「鎮魂と再生の物語」ということなのですが、英二がやっとアッシュと向き合い、全てが救われる、ほんとうの意味での『BANANA FISH』のラストは読むたびに泣けてしまう一作でした。この「人が救済される瞬間」がどうも私の泣きポイントになっているようで。

今回読んだ『海街diary』も、吉田秋生の「救済」が全編に感じられる素敵な作品でした。
『BANANA FISH』ほど強い印象ではありませんが、日常の、家族の関係だったり、病気だったり、恋愛だったり、そういう事で少し息苦しくなっているさまざまな人が、ふと救われる瞬間、そういうものの描き方が本当に上手だなと思います。

どうやら映画化されて今月公開スタートのようで、サイトを見てみるとキャストも豪華。
綾瀬はるかに長澤まさみに、なんといっても監督が是枝裕和で音楽が菅野よう子とくれば、これは見に行かなければなりますまい。いやあ、ホントに(私にとっては)素晴らしい面子だね、こりゃ。
さて、どうなっていますことやら。

▽映画「海街diary」公式サイト
http://umimachi.gaga.ne.jp/

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