秋の東京旅6:美輪明宏さんの最後の「黒蜥蜴」@東京芸術劇場

実は今回の旅のメインは、美輪明宏さんが「今年で生涯最後」と言っている舞台「黒蜥蜴」を見ることでした。

黒蜥蜴は、江戸川乱歩の原作に三島由紀夫が脚本を書いた作品で、名探偵・明智小五郎と、恐ろしい女賊・黒蜥蜴の戦いを描くストーリー。

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美輪さんはもうどれほどこの黒蜥蜴を演じたことでしょうか。
舞台はもちろんですが、深作欣二監督によって映画化もされていて、この映画は今でも好きな作品の一つです。

美輪さん演じる黒蜥蜴が素敵なのはもちろんですが、明智役の木村功さんが不器用なダンディで、ヒロインの松岡きっこさんがものすごい美しさだったりと、キャストも演出も素晴らしく、事情があってDVDなどになっていないのがものすごく残念です。

黄金期と言っても良い映画の方に慣れていたので、今更舞台をみるのもどうかという気持ちもありましたが、、実際に見てみるとより深く黒蜥蜴を理解することができました。

舞台を見ていて気付いたのは、美輪さんのセリフの運び方や抑揚の一つ一つに意味があるということ。映画でも舞台でも、何年たっても変わらない言葉の一つ一つに驚きました。
ヒロインのセリフの言い方も非常に映画と似ていて、美輪さんがかなり指導されたんじゃないかなと思いました。
演技というよりも、なぜ三島さんがこのように書いたのかということを理解して伝えているようです。

映画のほうが役者の表情も細かい舞台の伏線もはっきり見えるはずですが、舞台の方がより深く理解できるというのは不思議なものです。
かと言って映画が良くないわけではなく、舞台をみることで映画版の凄まじさもよくわかるようになりました。

今回が最後ということでもう見れないのは残念ですが、何事も美しく終わるのは黒蜥蜴の美学なのでしょう。
せめて映画のDVD化が待たれます。

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