
夜からはゼンパーオーパでオペラ観劇。
今回はモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」を観ました。
見ごたえのある美しい劇場
元々公式サイトで予約をしていたので、アーベントカッセ(当日夕方のチケットストア)が開いたら、予約していたチケットを受け取って劇場へ。
観光地らしく、観光がてらオペラを観て帰ろうと考える人も多いようで、当日券も行列ができていました。
ゼンパーオーパーは外観も重厚感のある美しいオペラハウスですが、中ももちろん素敵でした。
早目に入場してクロークで荷物を預けて、始まるまで劇場内を見て回りました。
外観も素晴らしい劇場ですが、中もすごい!美術館かと突っ込みたくなるほど、壁画や彫刻が目白押しです。天井にもこの通り。
柱の装飾も素晴らしく、この空間にいられることが楽しくなり、ついつい白ワインなど飲みながらあちこち見ていました。
ドイツの歌劇場は始まるまで飲み物片手におしゃべりを楽しむのが一般的なので、みなさん思い思いにすごされていました。
ホールの中も、もちろん素敵です!
客席はそう広くないのですが、ぐるりと取り囲む照明とデザインの豪華絢爛さは、さすがに世界に名だたる名劇場です。
1階席の皆さんはもちろん服装も素敵。
きれいなドレスのご婦人などを上の席から眺めていました。
平日でも満席で、ドイツの人々がいかにオペラに親しんでいるかが感じられました。
もちろんこのゼンパーオーパの観光目的の方もいらっしゃると思いますが。
現代的なドン・ジョバンニ
ドン・ジョバンニとは放蕩者の代名詞のような存在で、女好きの上に誤って人(狙っていた霊場の父親で騎士団長)まで殺してしまい、それでも懲りずに放蕩を尽くし、最後には自分が殺した騎士団長が冥府から迎えに来て地獄に引きずられていきます。
今回のドン・ジョヴァンニは現代的な演出で、クラシカルな劇場で現代的な演出を見るという、ちょっと意外な感じ。でもすっかり見入って楽しめました。
序曲が終わるとマンハッタンの高層ビルの一室のような舞台で、ドン・ジョヴァンニはいかにも爛れたビジネスマン。まともな労働はしないけれども金は生み出されて、本人は女性を追いかけて貪欲に遊んでいるという感じです。
他の人々も結構退廃的で、ドン・ジョヴァンニ=絶対悪とは言い切れないというか、みんななにかに厭いて適当に流された人生を送っていて、その中でドン・ジョヴァンニは女性に執着することでアイデンティティを保とうとしてるのかなと感じました。
なので、最後にドン・ジョバンニだけ罰が下るのがちょっと納得行かないというか、、ドン・ジョバンニがいちばん目立ってたから見せしめに連れて行かれたってだけじゃないの?という感想を持った次第。
ちょっともやもやはありますが、そういう問題提起を感じるのも現代的演出の良さでしょうね。音楽自体ももちろん素晴らしかったですし、とてもいい舞台でした。
オペラが終わる頃には当りも暗くなっていましたが、ホテルまで歩いて10分くらいだったのでそのまま歩いて帰りました。