
ミュンヘンでのオペラフェスティバルを楽しんだ矢先、まさかの銃乱射事件が起きてしまいました。私はちょうど事件当日の午前中にミュンヘンを出てオーストリアに向かったので事件のことは全く気づかず、夜ホテルで知ることになったのですが、ほんの数時間前まで滞在していたところでまさかという驚きでいっぱいです。
日々の危機感
ミュンヘンでは犯人の一部がまだ拘束されておらず非常事態宣言が出されているというニュースもあり、このあとまたミュンヘンに戻る予定になっているので、まだまだ情報から目が離せません。
実はミュンヘンを出発するときもミュンヘン中央駅のS-bahn(近郊列車)が警察の出動により一時封鎖されてしまい、テロかとヒヤヒヤしながら別駅からの路線情報を調べました。
この件は特にたいしたことはなかったようですが、ちょっとしたことでもテロを連想してしまうような現在の状態や人々の危機感は数年前とは格段に異なっていると思います。
先日は近隣のヴュルツブルク(Würzburg)でも列車内で通り魔的な殺傷事件がありましたし、その前はトルコでクーデターの試みがあり、最近はすっかり寝る前にテロ関係のニュースやドイツでの不審な事件を確認することが習慣になってしまいました。
全てがテロではないと思う
実際は全てがイスラム過激派などによるテロなのではなく、日本で言うところの通り魔であったり、元々の差別や格差などが原因による事件であったりもするのだろうと思います。
ヴュルツブルクの犯人は17歳のアフガニスタン難民でしたし、今回のミュンヘン銃乱射の犯人の一人も10代で、数年間ドイツに住んでいたと報道されています。
また、犯行場所もローカル列車の中だったり、ショッピングセンターのファストフード店内であったりと、宗教的・政治的な場所ではありませんし、そうそう注目をあつめる場所でもありません。
個人的には宗教的な動機よりも、別な主張があったのではと思っています。
ただ、何かを言葉や態度で主張するよりも先に武器を手にとり手当たり次第に殺傷してしまうという衝動的な流れは近年のテロによる影響が大きいのでしょう。
テロを根絶することはもちろん重要ですが、暴力で何かを訴えるような短絡的な事件を起こさないようにするには、個人レベルでの会話であったり、もっとなにか日常的なレベルで個人の抑圧を緩和する必要があるのかもしれません。
全てをイスラム過激派のせいと考えているとつい中東系の方に用心してしまったりするかもしれませんが、国や人種に関係なくこのような事件は起きてしまう可能性があります。
日本でも過去に秋葉原などで通り魔事件がありましたが、もしそれらをテロやイスラム過激派のイメージとひとくくりにしてしまうと事件の本当の原因はわからないままになってしまいます。
またイスラム教の信者の方や難民の方への差別の助長で負の連鎖が繰り返されることもあると思うので、その点も注意しておくべきですね。
渡航先を「たびレジ」に登録
さて、こんな事件に直面してようやくですが「そういえば私の安否確認ってどうしてもらえばいいんだっけ?」という疑問に思い当たりました。
事件の報道があってすぐに家族に連絡したりSNSに書き込みをしましたが、もし昨日終日ミュンヘンにいたとして、事件に巻き込まれたかそうでないかと誰が確認してくれるのでしょうか?
個人の旅行スケジュールは普通どこにも許可を取らなくて良いので、外務省も確認のとりようがないですよね。
先日たまたまミュンヘンで知り合った旅行者の方に、外務省に渡航先を登録しておくサービスがあると教えていただいたのに思い当たって、早速そのサービスに登録しました。
外務省の運営している海外旅行の渡航先・滞在先を登録できるサービスです。
渡航日時と渡航先のホテルの名前や連絡先を登録しておくと、万が一の時に外務省が滞在先に安否確認を行ってくれるようです。
また、滞在期間中は滞在先で緊急事態が発生した時にメールで連絡してくれます。
家族のアドレスを登録しておくと、家族にも渡航先の情報が伝わるので良さそうです。
また登録した情報を「旅のしおり」としてPDFにしてくれるので、それを家族や職場などに渡しておくのも良いと思いました。
今更ながらの登録になってしまったので、もうちょっと危機感を持たなければと反省しつつですが、、引き続き現状の情報収集を続けながらドイツ・オーストリアを楽しみたいと思います。