火星の人

機内で『火星の人(the Martian)』を読んでから、ちょうど機内のエンタテインメントにあった映画版を鑑賞。

小説は期待に違わずめちゃくちゃ面白かった。先に『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読んでいたからというのもあるけど、アンディ・ウィアーのこの手の小説(宇宙で脳天気な天才が孤軍奮闘する系)はあと10冊くらい読みたい。
火星の人はネット小説で公開されていたということもあり、日本語訳でもそんな感じでとてもカジュアルな読ませ方をさせてくれる。

主人公がやっていることは非常に高度なのに、すべての理屈がわからなくても面白く読ませてくれるのは、この柔らかさと主人公の能天気さのおかげ。
世界にただ一人で生きて、しかも刻々と死に向かっている状態で、こんなに葛藤しない(葛藤をみせない)主人公は本当に珍しい。サイコパスといってもいいんじゃないかというほど情緒に欠けていて、通常だとそれは「人間の内面が書けていない」とか「浅い」とかいわれそうななか、プロットの面白さで気にせず読ませていくのは本当にお見事。

映画は、その主人公のとぼけたところがマット・デイモンによくあっていてとても良かった。もう少し若く、タロン・エガートンも合うような気がする。日本語の声優さんはマット・デイモンのイメージよりやわらかい声で少し違和感があったものの、主人公のマークにはとてもあっている演技だった。

小説を読んでからすぐ映画を見たので、これがMAVか〜(想像よりだいぶ小さかった)とか、ハブはこうなってるんだな〜(想像よりもだいぶ立派だった)とか、想像と正解のギャップが楽しい。

ストーリーはだいぶ省いてあったので、小説を読んでからだと試行錯誤や盛り上がりにかける印象で、映画としての山谷はこれで十分なのか、小説を読んでいるから気になるだけで十分成立しているのか、ちょっと判断がつかない。
でも映画の画の美しさはとても素晴らしかった。

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