空間と時間の断面を愉しむ、山口晃「汽車とかたな」展@霧島アートの森

山口晃「汽車とかたな」

霧島アートの森で開催中の山口晃「汽車とかたな」展を観に行ってきました。
もともと好きな山口さんの作品と、霧島アートの森ならではの見せ方がうまく融合した、素敵な展示でした。

山口晃「汽車とかたな」展

山口晃「汽車とかたな」

山口晃さんといえば、日本画の技法でひとつの絵の中に現在と過去、未来を融合させる作品で、今一番人気の高い画家のおひとり。
今回も展示されていた「地下鉄道之圖」など、時間と空間がばらばらなのにつながっていて、ストーリーがあり、細かい点を見ても仕掛けがあって、いつまでも見飽きません。

霧島アートの森にその展示が来るということで以前から楽しみにしていましたが、確か5月頃に鹿児島で独演会をされた落語の立川志の輔師匠も、高座で「今度鹿児島で展覧会をされる山口晃さんの個展はぜひ」とおすすめされていました。
志の輔師匠は東京で個展を見に行かれて、非常に良かったので山口さんに手紙を書いてお送りしたのだとか。
もう山口さんの広報担当のようにおすすめされておられました(笑)
そんな期待大の展覧会にやっと先日伺うことができました。

「汽車」は鉄道や駅を描いた「地下鉄道之圖」や、山口さんが独自の発想で図面を引いて考えたオリジナルの路面電車など。

「かたな」は妖刀・無残介(むざんのすけ)のストーリーを描いた「続・無残介」。

汽車とかたな、それぞれの展示と、来迎図などの仏教画が飾られており、中には未完成の作品もありますが、それらが気にならないくらいに見入ってしまいました。

特に面白いと思ったのは空間の使い方。
もともと霧島アートの森自体がユニークな建物なのですが、今回はそれを生かし、さらに造作を増やして、山口さんの作品にある「空間的な断面」が体験できるような展示になっていました。
不思議な断面の絵を観ている私達自身が、気がつけば断面の登場人物になっている、そんな二重構造の展示です。

展示は9月のシルバーウィークまでなので、会期中にもう一度は行きたいと思っています。

霧島アートの森

http://open-air-museum.org/
鹿児島県姶良郡湧水町木場6340番地220
TEL 0995-74-5945

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