「ミュンヘンオペラ・フェスティバル」3回目はヴェルディの「椿姫(La traviata)」を2Rangeの左側立見席で鑑賞しました。

パスポート提示での入場

今回初めて、入口でチケットだけでなくパスポートの提示も求められました。
たまたまだったのか、前日のフランスでのテロ事件に関係があるのかわかりませんが、、単に名前を確認して終わりました。
またパスポートを求められたのも私だけでした。(多分E−チケットを印刷して持ってきたからだと思いますが)

立見席の場所もいろいろ

席の問題ですが、「ルクレツィア・ボルジア」の時は右側席で全然ルクレツィアを見ることができず、今回はどうかなと思っていたところ、今回はヴィオレッタもアルフレードも主に左側で歌っていたのでまたもや全然見えませんでした。
場所を逆にしたら良かった、、ということでバイエルン国立歌劇場ではルクレツィアは左側席、椿姫は右側席がおすすめです。(どちらも2016年の演出の場合ですが)
そして今回はガレリアではなくて2Rangeの立見席でしたので、多少余裕がありますし、立見の席の後ろに座席(椅子)があるということもありませんでした。
1列目の座席の後ろは立見、その後も少し段があっての立見です。
私は真ん中の立見列だったので、足がつかれたら後の段のところに時々腰掛けたりして、わりと気楽に観られました。

テンポの良い華やかなオペラ

オペラのなかでも聴く機会の多い椿姫ですが、私は通しで聴くのは今回が2回目。久しぶりに聴いて感じるのは、劇自体のテンポが凄くいいということ。
現代劇に近いテンポで話が進むので、通しで見やすいオペラだと思いました。他のオペラは結構主人公の心情を長々と歌っちゃうので(ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」に至っては2幕は大体お互いの名前を呼び合ってるだけの印象ですし)、そこで物語が間延びしてしまうのですが、椿姫は心情と状況説明がうまく一つの歌になっているので、人物の気持ちもわかるし物語もサクサク進むという気持ちよさがあります。
今月はモーツァルトやワーグナーを聞く機会が多かったので、余計にそう感じました。
多分ヴェルディが指輪を作曲していたらワーグナーのように計4夜ではなく、2夜で終わってるんじゃないかと思います。

あとはヴェルディの軽やかな音楽も聞きやすさのポイントですね。
序曲から物悲しいのですが、優雅で華やかです。

ドアを使った面白い演出

今回の演出も面白く、1幕はドアをうまく使って場面転換だけでなく、ヴィオレッタの心情も表していました。床には常に落ち葉が散らばっていて、最初から「終わり」を感じさせます。
二幕は逆に広く舞台を使っていて、ヴィオレッタとアルフレードの自由な、でもどこかがらんとした生活を感じさせていました。
「ルクレツィア・ボルジア」もそうですが、バイエルン国立歌劇場の演出は、道具立てをシンプルにおさえることで、人物の性質や様子をより浮かび上がらせようとしているように見えます。

今回の演出とは異なりますが、現代的な「椿姫」としてはアンナ・ネトレプコがヴィオレッタを務めるこちらの演出も人気のようです。
実は今月ベルリンの国立歌劇場ではこのアンナ・ネトレプコが同じくベルディの別なオペラ「イル・トロヴァトーレ」を演っていて、こちらも見たかったのですが、指揮がバレンボイムということもあってチケットは完売していました。。
今回はベルリン国立歌劇場に行く機会がなかったので、またいつか行ってみたいと思っています。

耳の肥えたミュンヘンの聴衆

今回の椿姫のキャストもなかなか良かったと思いますが、この前に聴いたのがエディタ・グルベローヴァの「ルクレツィア・・ボルジア」だったのでどうしても比べてしまい、ルクレツィアの時のようなずっと拍手をしたい気持ちにはなりませんでした。
ルクレツィアはカーテンコールが10回ほども起こる異常な事態でしたから、それと比べるのが悪いのですが。もちろん今回の椿姫も上手で、カーテンコールは3回ほど拍手を送りました。
3回目でもういいかなと席を立つ人も多く、私もそれで会場を後にしました。
ミュンヘンの観客は良い物には非常に熱狂的ですが、そのかわりたっぷり耳も肥えているようです。

  • Violetta Valéry:Ermonela Jaho
  • Alfredo Germont:Pavol Breslik
  • Giorgio Germont:Simon Keenlyside
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