犬養道子さんのヨーロッパと日本

コロナウィルスであちこち大変なことになっていて、日頃のんびり構えている私も日々暇さえあれば情報収集をしてそわそわしています。
ロックダウンされている都市などでは大変な思いをしながら過ごされている方もいる一方で、私の住んでいる都道府県では感染者が一桁ということもあり地域の方に会うとまだのんびりとしていて、このギャップに違和感を感じるほどです。
すごく恵まれているのだろうなとありがたく思うところでもあるのですが、気を抜くとあっという間に広がってしまうのでしょうね。

私はフリーランスとして働いていて、ありがたいことにこのような世間の影響を受けにくい職種なのですが、飲食店やその他の業界の方にとっては大きな損害がでているところも多いでしょう。
すこしでもそういう方のサポートができることがないかと思い、本当に微々たるものながら寄付をしたり、好きなお店で余分なお買い物をしたりしています。
しかし大きな損害を免れない方はこれからもたくさんいらっしゃるのだろうなと思うと、やはりつらい気持ちになりますね。
もちろんこれから私自身がそうなる可能性だってあります。

このような状況になって思い出すのは、犬養道子さんが書いていたエッセイのことです。
犬養道子さんは犬養毅さんのお孫さんに当たる方で、アメリカ留学の後ヨーロッパなどでも暮らされ、人道支援などにも尽力された方です。
お嬢様なのかなと思いきや(実際お嬢様ですが)、非常に破天荒な方で、エッセイなどは読んでいてとても面白く、何冊か読みました。

海外で助けられ助ける、破天荒なお嬢様

彼女の人生には怒涛のエピソードがいくつもありますが、
例えばアメリカ留学中に結核になってしまい、サナトリウムに入るのに見ず知らずのアメリカ人の方が「日本に原爆を落としたせめてもの償いに」とお金を出してくださったこと(彼女はその後サナトリウムで商売を始めて非常に儲け、そのお金も返したらしいです)、逆にヨーロッパでは心細い思いをしているアジア人留学生のために犬養さん自身が思い立ってお城でのサマーキャンプを企画したことなど、国を超えた人と人とが手を差し伸べ合うエピソードは読んでいてとても温かい気持ちになります。

そんな彼女が時々心配そうに書いていたのは、日本には互いに助け合う市民のルールのないことでした。

もちろん日本でも目の前で困っている人がいれば皆助けますし、震災のときなど何かあれば寄付をする方も沢山いらっしゃいます。
ただ、街を形成するのは我々市民だという気持ちと、それを成り立たせるために相互に助け合うルールのないことを嘆いておられたように思います。

市民生活を一人一人が担うという意識

アメリカやヨーロッパでは、外出できない方のためにアパートに張り紙をして「何かあったらぜひ連絡してください」と気軽にボランティアをかってでる方もいらっしゃると聞きます。
もちろん全ての地域がそうではないでしょうが、でもそれをしている方が特別親切な人であるということでもないのでしょう。
おそらく困っている人にできる限りの手を差し伸べるというのはヨーロッパの多くの地域でのルールとして人々に根付いているのではないかと思います。

逆にニューヨークのレストランがSNS上で独自にファンドを立ち上げ、自身も含めた飲食店の救済のためにお得意様に寄付を求めるような動きも見ました。
これも日本ではなかなか見ない動きだと思いましたが、コメントを見ると結構賛同している方も多く、好意的に捉えられているようでした。

これはキリスト教と仏教というような宗教の違いなのでしょうか。
犬養さんはそれを共同体としての市民生活を一人一人が担うという意識の違いではないかと書きました。

インターネットの中で思うこと

インターネットの中の今の日本は、政府に補償を求める声はよく見られますが、自分たちで何かをやろうという声はあまり見えません。
もちろん補償を政府に求めることは重要なことですし、やるべきだと思うのですが、同時に市民自身がなにかをやったり、市民になにかの活動を呼びかけてもいいのではと、ふと思ったのです。

例えば地元の飲食店の組合が市民に寄付を求めるとか、企業やお店がなにかサポートしてほしいことを伝えるとか、そいう動きがあってもいいのでは、と。

インターネットで私が見ている情報も一部でしかないので情報が偏っているだけかもしれませんが、企業は市民に何かを与えるだけの側、何かあった時の保証は政府が行うもの、という構図が私には少し歪であるように思えました。

外出やイベントに対する「自粛」の件も、国が国民に強制をしない(できない)というのは、国民がそのように勝ち取ってきた権利があるからなのではないでしょうか。
そうであれば、国民はその権利を守り続けることができるようにきちんと責任は持つべきだと思いますし、それで社会が回るように少しづつでも互いに努力すべきだと思います。

うーん、こんなことを書いていて、「でもそれって単なる正論だよなあ」とか、「所詮自分がまだ安全な立場にいるから言えるんだよなあ」とも思ってしまうのですが。。

私も先日の政府の「マスク2枚」には非常にがっかりしましたし、できることなら辞退して必要な方に回してほしいと思うので、政府の対応がいいとは決して思ってはいないのですが、声を上げるのと同時に国民として市民としてなにかできる行動や支援もあるのではないかと思い、犬養道子さんのことを思い出しました。

このコロナウィルス騒動は各国とも息の長い戦いになりそうですが、だからこそ自分や家族の最低限の生活を守りつつも、他の方に対しても可能な限り支援できるような気持ちを持ち続けていたいと思います。

犬養道子さんのヨーロッパと日本” への3件のフィードバック

  1. 宗教の違いというのはあるでしょうね。
    キリスト教徒は寄付の文化(文化というのでしょうかね??)が浸透しているように思います。
    しかしそうはいっても、昔は日本人にも助け合いの精神があったと思います。
    いつからか自分だけ良ければいい、言ったもん勝ち、のようになってしまったような気がします。

    仰る通り、強制できないのは、国民が勝ち取った権利であり、権利があるのであれば、義務は果たさなければいけないですよね。海外は禁止とか罰金にしているのは、そうしないと滅茶苦茶するからであって、日本人はそうではなかったはずなのに…。

    インターネットの中で思うこと、私も同じ様に感じていました。
    どうして、すぐ相手に要求するんでしょうかね。補償してもらわないと倒産するって、そういう風に経営したのは自分自身なのに…。もしかしたら、コロナと関係なく経営悪化、もしくは倒産したかもしれない会社も税金で補償するの?と思ってしまいます。

    話は違いますが、先日話題になった、老後2000万必要問題にも同じ様に違和感を感じました。
    老後のことなんて自分で考えて、貯金したり投資したりしてやりくりするものであって、文句をいう人は政府が一生面倒見てくれると思ってたのか?と逆に驚きました。

    確かにマスク2枚は驚きの対策ではありますが、批判したり、自己主張したりするだけでなく、自制心を持って生活して欲しいなと思います。
    長くなってすいません”(-“”-)”

    1. ありがとうございます。
      なんとなくもやもやしていたものを吐き出してしまいましたが、コメントいただいて嬉しかったです^^

      老後2000万必要問題も、確かにそうですよね。
      政府に管理干渉されたくない、でも完全に守って欲しいというのは無理がありますし、できる限り色んなリスクを考えて生きていかないといけないですね。2000万円という大きな金額に気が遠くなってしまう気持ちはわかりますが^^;

      ヨーロッパでは今を「戦時中」と考える報道もありましたが、まさにそうだと考えると、たしかに戦時中に平常時と同じ暮らしができる人なんていないですよね。
      皆それぞれが自分の生活や楽しみを維持しようと主張し合うのではなく、自制心を持って、本当に困っている人に協力しあえる社会になりたいですね。

      1. いえいえ、私も同じように感じてるFLOWさんの意見に、つい嬉しくなりました(*^^)v

        先日のニュースで、ダンス教室を何店舗か経営している男性が、教室が閉鎖になり収入がなくなったので、新たな事業を始めた、と報道してました。駄目になったから請求するのではなく、自分で考え、自分ができることを始めてるので、すごいなあと思いました。そうやって考えて生活してる人にお金が渡らず、何もせず文句言ってる人にいってしまうのかな?と思ってしまいます。

        仰る通りですね。確かにいろんな人が大変な思いをされてると思いますが、戦時中であれば、子供だって学校に行けなかったわけで…。収入が減った人に自己申告で政府が補償すると決まりましたが、それよりも、命をかけて働いてる医療従事者に賞与的に渡せばいいのに、って思いました。

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