アベンジャーズ・エンドゲーム 雑感(ネタバレ有り)

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インフィニティーウォーから待ちに待っていた「アベンジャーズ・エンドゲーム」を初日のレイトショーで見てきました。
ネタバレしてしまうので、まだ見ていない方はご注意ください。

あっという間の3時間

今回のエンドゲームは3時間の長編でしたが、全く時間を感じさせない映画でした。それほど面白かったということでもありますが、同時に一番の山場をワクワクしながら待っていたらいつの間にか終わっていた、という感じでもありました(汗)

多分、1年間待っていた分、期待度がかなり高かったのですね。
また、前回のインフィニティー・ウォーがとても充実していて各ヒーローの見せ場もきちっとある映画だったので、今回もそのような感じで(というかむしろ前回以上の)各ヒーローのめちゃくちゃかっこいいシーンとものすごい戦いがあるんだろうな!と勝手に思っていたのです。
実際にかっこいい闘いのシーンはありましたが、前回ほどかと言われるとそうでもなかったと思います。
また、各キャラクターのストーリーに沿ったシーンも前回の方がきちんと描けていたと思います。

まさに「エンド」のための映画

良くも悪くも、今回は「後編」であり「終わり」だということなのだなあと思いました。
出来が悪かったのかというと全然そんなことはありません。
単なる一つの作品としてみれば、前回のインフィニティー・ウォーだったりシビル・ウォーの方が良いと言えるでしょう。
でも、この映画が今までの22作の「エンド」であり、それぞれのキャラクターの「エンド」であると考えれば、確かにこれ以上の作りはないなあと思わせるものでした。
個人的にはもっと色々詰め込んでほしかったとも思いますが、制作側も本当に泣く泣く色々削っての3時間だったんだろうなと推察します。

各キャラクターにとってのエンド

見終わった後に考えるのは、作品全体としてこの後どうなるのか、ということよりも各キャラクターの移り変わりや最後のことです。
アベンジャーズの各メンバーは数が多いので、きちんと描かれていたのは初代アベンジャーズメンバーくらいでしたが、それぞれのキャラクターの移り変わりはとても興味深いものでした。

ハルク / ブルース・バナー

ブルース・バナーとハルクは融合して常に大きな体の緑の科学者になりました。いつも理性的で、もうブチギレるということもないのでしょう。初代アベンジャーズやソー/ラグナロクなどでのハルクの無茶苦茶な暴れっぷりはスカッとしてとても好きだったので、それが見られなくなったのは残念でもあります。
かつて、アベンジャーズでトニー・スタークはブルース・バナーに「普通の人間はあれだけのガンマ線を浴びたら死ぬ。ハルクが君を守ったとも言える」というような事を言っていました。
今回、ブルース(ハルク)は6つのインフィニティ・ストーンを使いましたが、ハルクの体のおかげで死ぬことはありませんでした。ハルクという存在が宇宙や自分を救うとは、最初の彼からは想像もつかないことだったでしょう。
そういえばブルースは初回アベンジャーズで「僕はいつも怒っている」と言っていましたが、ハルクと和解したことでもう怒りはなくなったのかもしれませんね。
最初はハルクを恐れて憎んでいた不安定なブルースが、こんなに平穏な感じになれたんだなあと思うとちょっと感動してしまいました。

ブラック・ウィドウ / ナターシャ・ロマノフ

ナターシャがいなくなってしまってとても悲しいのですが、今回驚いたのは「ナターシャが本当に泣いてる」ということでした。
いつも冷静で、泣いたと思っても演技なのがブラック・ウィドウでしたが、5年間の憔悴から、アベンジャーズ(特にホークアイ)を家族だと思って本当に大事にしていたのだということが伝わってきました。
冷徹な女スパイだった彼女が、ウォーマシンはじめ皆に「ナット」と呼ばれるまでに親しまれ、愛する存在のために泣ける人物になったというところが、地味に感慨深かったです。
そういえばナターシャとクリントが二人で任務について「ブタペスト」のキーワードがでてきたときは思わずニヤッとしてしまいました。

ホークアイ(ローニン)/ クリント・バートン

クリントはこの作品では家族愛の象徴みたいになっていましたが、まあ元々良き家庭人ですもんね。
クリントも最初はかなり冷静な人物でしたが、今回は家族がいなくなったことで自暴自棄になっていました。
しかし、中盤に一人で多数の敵から逃げ切るシーンは流石ホークアイ。
ナターシャとクリントは普通の人間なので時々他のヒーローの前に霞んでしまいがちですが、それでもこのようなシーンでは、やはりものすごいヒーローだなと感じさせてくれます。

ソー

この作品で一番ギャグ要素だったのは彼でしょうね。
インフィニティーウォーではめちゃくちゃかっこよかったアスガルドの王が、ものすごいメタボニートになっててずっこけました。
ダリルもいるのかなと思ったくらい。

というかこの超大作でこんなにだらしないソーを見せることを許したクリス・ヘムズワースはすごいなと思います。普通はずっとかっこいいままで終わりたくないですか?
多分ソー/ラグナロクでおもいっきりギャグ要素を取り入れたタイカ・ワイティティ監督の影響が大きいのかなと思いますが(そういえばワイティティ監督もエンドゲームに出てましたw)、ある意味傲慢でかっこいいヒーローだったソーが、弱さやだらしなさをさらけ出してみせたのは観客にとってもとても意味のあることだと思います。
もちろん戦いのときにはしっかりかっこいいソーに戻ってくれたので良かったですw

キャプテン・アメリカ / スティーブ・ロジャース

この映画はキャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャーから続く、キャプテン・アメリカシリーズでの終わりでもありますね。
キャプテンは良くも悪くも意志の変わらない、正義を貫く人物だと思っていましたが、最後になってミスカーターと結ばれるために過去に残るという人間らしいワガママを出したのが意外でした。

今までのキャプテンだったら、多分きちっと任務を果たしてすぐに帰って来たのではないかと思います。ミスカーターの人生も尊重して(葬式まで出たわけだし)、今更未来を変えるということはしなかったのではないでしょうか。
多分、この5年で彼の中の考えが色々変わったのかなあと。
キャプテンは今まで「前向きに/正しく」といういわゆるアメリカ的ナイスガイを地で行く男性でした。
自分の知らない間に何十年も経ち、愛した女性は年老いていて死んでしまう、それでも使命があるから前に進むしかない、正義の道を歩むしかない、と思ってやってきたのだと思いますが、心の中ではやはり葛藤があったはずです。
本人自身も今までに時々そういう事を言っていましたね。
多分5年間の間にその葛藤と向き合ってきて、前向きに/正しく生きるのも大事だし、同時に自分自身の気持ちももっと大事にしてもいいんだというふうに変わったんじゃないかなあと思います。そういう悟りを経て、ムジョルニアも扱えるようになったんじゃないかなと。めちゃくちゃ想像の世界ですが。
(ムジョルニアといえば、エイジ・オブ・ウルトロンのパーティーシーンの伏線がバッチリ回収されていておおっと思いました。)

ある種禁欲的だったキャプテンがミスカーターときちんと結ばれるのは私にとっては意外でしたが、ザ・ファースト・アベンジャーから続いたヒーローの物語が終わって、キャプテンからスティーブに戻ったのだと考えると、良い意味で平凡な、素敵なハッピーエンドだと思いました。

そういえばキャプテンはソウルストーンをどこに返したんでしょう?もしヴォーミアに行ってたらレッドスカルと鉢合わせますよね。どうなったんだろ?

アイアンマン / トニー・スターク

マーベル・シネマティック・ユニバースはアイアンマンから始まったものなので彼にとっても終わりですが、もう本当にロバートダウニーJrさんお疲れ様でございますという感じです。
アイアンマンを観るまでは、私にとってロバートダウニーJrといえば「アリーマイラブ」の途中で消えた人、という認識でした(笑)

アイアンマンから始まったこの11年間で「ロバートダウニーJr=アイアンマン」という図式は全世界の人の共通認識になったと言っても過言ではないと思います。
トニー・スタークの傲慢さ、不安定さ、リーダーシップ、潔さ、みたいなものを、ロバート・ダウニーJrはまるで自分自身かのようにブレなく演技して見せてきました。
それだけ彼がこの役に尽くして来たということでしょう。

アベンジャーズはトニー・スタークという人物の成長の歴史でもありますね。今回、トニーは親になり、そして人を赦します。
各ヒーローのなかで、トニー・スタークはいつも一番人間らしい不安定さを見せてきた人物だと思いますが、同時に一番情のある人であったかもしれないですね。
作中の「アイアンマンにもハートがある」という字幕も良かったです。

…他の人物たちもそれぞれ過去作品にリンクするところや新しい展開などもあってよかったのですが、この初代アベンジャーズメンバーの変化等を考察するだけでも結構お腹いっぱいになってしまいましたw

こうしてみると、結構今までの各映画を通して、少しずつ各キャラクターも考え方などが変わってきたのだなと思います。
特に今回のエンドゲームでは各キャラクターがそれぞれの着地を迎え、見終わった後に「ああ、終わったんだなあ」という気持ちになりました。

マーベル・シネマティック・ユニバース自体はこれからもまだまだ続くようですし、スパイダーマンもガーディアンズ・オブ・ギャラクシーもまだ作られるわけですが、ひとまず良い終わりを迎えることができて、個人的には満足な一本でした。

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