ドイツ

  • ベルリン

    何をするでもないけどまた行きたいなと思うのがベルリンのいいところ。
    本屋に行ったり、ケバブを食べたり、ホームセンターに圧倒されたり、ジーンズでオペラを見たり。
    今まで行った首都の中で一番地味で好きかもしれない。

    2016年から何年か連続で行き、その時泊まっていたクロイツベルグのアパートメントは今や当時の倍ほどの価格になっている。

    10年の間にコロナ・パンデミックやウクライナ戦争や円安があり、あの頃はまだ旅のしやすい時期だったんだと思ったけれど、よくよく思い返してみれば2014年頃からドイツは難民の大量入国に直面し、国内では移民差別や様々な問題が起きていたし、イスラーム国をはじめとしたテロも多かった。

    あの頃だって世界はどうなっていくんだろうと思っていたのに、10年経ってその不安は増したまま、引き続き着地の見えない問いを持ちながら暮らし続けている。

    結局政治も経済も安定した『旅をしやすい時期』なんていうものはなく、ただ行ける時に行っておくということに限るのかもしれない。

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  • [DE2016]自炊旅行・ドイツで作ったごはんたち

    今回の旅はできるだけ自炊をしながら行こうということで、キッチンのある宿を選んで滞在し、スーパーに買物に行ってご飯を作った。

    スーパーで買ったもの

    スーパーの食材を観るだけでも楽しいのだけど、実際に買うものは結構保守的なものになってしまうので、今更ながらもっとチーズやハムのいろんな種類のものを買えば良かったと後悔したり。。

    ベビーリーフはたっぷりはいって3ユーロくらいのものが必ずあるので、旅行中の野菜不足をこれで補っていた。

    ドイツと言えばソーセージなのでレバーヴルストも買ったけど、 一人だと一本で結構持つ。
    味が飽きないように香味野菜を混ぜ込んだりしながらサンドイッチの具に。
    あとはズッキーニやポロネギをお肉と一緒に焼いたり、簡単にパスタで済ませたり。

    果物が安かったのも嬉しかった。
    桃は平たい形をした蟠桃が日本の桃の味に近いと教えてもらったのでそれを購入。1キロで3ユーロほど。
    日本では1個300円位するので、嬉しくてついつい一人で1キロ買い込んでしまった(笑)

    日本から持ってきたもの

    日本から持って行ったフリーズドライのお味噌汁やお吸い物、雑炊は手軽で重宝したけれど、顆粒ダシや醤油などの調味料はあまり活躍の場がなく。
    せっかく持っていったのにもったいなかったな。

    レンジ用のご飯やレトルトカレーも、電子レンジのない宿が多かったのであまり活用できず。。
    油や塩はもちろん現地で購入できるけど、大容量になってしまうので、滞在日数に合わせて日本のミニボトルを持って行っても良いかも。

    菜箸が重要

    お箸とスプーンは自分のものを持って行ったけど、やっぱりあると便利。
    特に意外と助かるのが菜箸。
    普段トングなどで調理するのに慣れていなので、お肉をひっくり返すのも、麺を掬うのも、盛り付けをするのにも大活躍だった。

    困った時の麺頼み

    衝撃だったのは、パスタがまずいということ。
    ドイツのBioのパスタとソースを買ってみたのだけど、どうも茹で上がりがおかしくて、まったく美味しく感じなかった。
    芯はあるのに、外側がぶよぶよしているというなんとも不思議な感じで、、麺好きには辛い事実。。

    やはりパスタはイタリア!ということで、ディチェコやバリラを買って過ごす。
    太麺を茹でる場合はドイツの水の匂いが付いておいしく感じない時もあったので、ミネラルウォーターで茹でるか、あまり水の味に影響されない細麺を買って調理していた。

    またパスタに似た食べ物でマウルタッシェンという餃子のようなものも美味しかった。

    色々使えるパスタソース

    単に麺好きと言うのもあるのだけど、パスタソースは結構使う。
    トマトソースとジェノベーゼソースを買っておくと便利。
    ジェノベーゼソースはじゃがいもやその他野菜のドレッシング代わりにもなるし、トマトソースもとりあえず色んな具と煮込めるので楽だった。

    まずいものに当たっても旅の思い出ということで、気軽に現地のものを試せる自炊旅は結構楽しく、食費も抑えられておすすめ。

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  • [DE2016]椿姫(La traviata)2016.07.15@Bayerische Staatsoper

    「ミュンヘンオペラ・フェスティバル」3回目はヴェルディの「椿姫(La traviata)」を2Rangeの左側立見席で鑑賞。

    パスポート提示での入場

    今回初めて、入口でチケットだけでなくパスポートの提示も求められた。
    たまたまだったのか、前日のフランスでのテロ事件に関係があるのか。ただ単に名前を確認して終わり。
    またパスポートを求められたのも私だけだった。(多分E−チケットを印刷して持ってきたからかな?)

    立見席の場所もいろいろ

    「ルクレツィア・ボルジア」の時は右側席で全然ルクレツィアを見ることができず、今回はどうかなと思っていたところ、今回はヴィオレッタもアルフレードも主に左側で歌っていたのでまたもや全然見えない位置で残念。

    場所を逆にしたら良かった、、ということでバイエルン国立歌劇場ではルクレツィアは左側席、椿姫は右側席がおすすめ。(どちらも2016年の演出の場合だけど)

    そして今回はガレリアではなくて2Rangeの立見席だったので、多少余裕があるし、立見の席の後ろに座席(椅子)があるということもなかった。

    1列目の座席の後ろは立見、その後も少し段があっての立見。
    私は真ん中の立見列だったので、足がつかれたら後の段のところに時々腰掛けたりして、わりと気楽に観られた。

    テンポの良い華やかなオペラ

    オペラのなかでも聴く機会の多い椿姫だけど、私は通しで聴くのは今回が2回目。
    久しぶりに聴いて感じるのは、劇自体のテンポが凄くいいということ。

    現代劇に近いテンポで話が進むので、通しで見やすいオペラだと思う。
    他のオペラは結構主人公の心情を長々と歌っちゃうので(ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」に至っては2幕は大体お互いの名前を呼び合ってるだけの印象だし)、そこで物語が間延びしてしまうのだけど、椿姫は心情と状況説明がうまく一つの歌になっているので、人物の気持ちもわかるし物語もサクサク進むという気持ちよさがある。

    今月はモーツァルトやワーグナーを聞く機会が多かったので、余計にそう感じた。
    多分ヴェルディが指輪を作曲していたらワーグナーのように計4夜ではなく、2夜で終わってるんじゃないかな。

    あとはヴェルディの軽やかな音楽も聞きやすさのポイント。
    序曲から物悲しいのに、優雅で華やか。

    ドアを使った面白い演出

    今回の演出も面白く、1幕はドアをうまく使って場面転換だけでなく、ヴィオレッタの心情も表していた。
    床には常に落ち葉が散らばっていて、最初から「終わり」を感じさせる。

    二幕は逆に広く舞台を使っていて、ヴィオレッタとアルフレードの自由な、でもどこかがらんとした生活を感じさせていた。
    「ルクレツィア・ボルジア」もそうだけど、バイエルン国立歌劇場の演出は、道具立てをシンプルにおさえることで、人物の性質や様子をより浮かび上がらせようとしているように見える。

    耳の肥えたミュンヘンの聴衆

    今回の椿姫のキャストもなかなか良かったと思うものの、この前に聴いたのがエディタ・グルベローヴァの「ルクレツィア・・ボルジア」だったのでどうしても比べてしまい、ルクレツィアの時のようなずっと拍手をしたい気持ちにはならなかった。

    ルクレツィアはカーテンコールが10回ほども起こる異常な事態だったので、それと比べるのが悪いのだけど。

    もちろん今回の椿姫も上手で、カーテンコールは3回ほど拍手を送った。
    3回目でもういいかなと席を立つ人も多く、私もそれで会場を後に。
    ミュンヘンの観客は良い物には非常に熱狂的だけど、そのかわりたっぷり耳も肥えているようだ。

    • Violetta Valéry:Ermonela Jaho
    • Alfredo Germont:Pavol Breslik
    • Giorgio Germont:Simon Keenlyside
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  • [DE2016]Lucrezia Borgia 2016.07.13@Bayerische Staatsoper

    「ミュンヘン・オペラ・フェスティバル」の二回目はドニゼッティのオペラ「Lucrezia Borgia(ルクレツィア・ボルジア)」を立見席で。

    あまり有名なオペラではないのに、チケットを取る時になぜかこの演目は特にチケットがよく売れていて、なぜだろう…?と思いながら一番安い最上階、ガレリア右側の立見席を購入。

    エディタ・グルベローヴァのルクレツィア

    当日も特に期待せずギリギリで会場に行くと、立見も埋まる超満員。
    なんでこんなに人が多いんだろうと思いながら一幕目を聞いていたところ、、ルクレツィア・ボルジア役をやっていたのが有名なソプラノ歌手エディタ・グルベローヴァだった。
    途中でわかってびっくりしたけど、みんな彼女を観に来ていたのね、と納得。

    ガレリアの右側立見席は角度の関係で舞台の右半分が見えない。
    肝心のルクレツィアは大体右側で歌う構成だったので、ほとんど彼女の姿は見えなかったものの、声の美しさは圧倒的だった。

    もう少々お年になっていると思っていたのだけど、衰えない技術は本当に感動。
    この時の立見席は11ユーロ。
    映画を見るくらいの感覚でグルベローヴァの生の歌声を聞けるとは、なんとも贅沢だと思う。

    なぜか座席の前にある立見席

    で、ちょっと不思議なのがこのガレリアの立見席。
    ガレリアには3列用意されていて、1列目は座席(椅子)、その後ろに立見、そしてその後ろにまた座席(椅子)があるという、すごく不思議な配列になっている。

    3列目の椅子の人は完全に舞台が見えないと思うんだけど、、。
    実際にはオペラが始まると、3列目の人も立って、立見の隙間に入れてもらっていた。やっぱり舞台を観たいしね。
    特にグルベローヴァが見える場所に来ると、立見の人が後ろの椅子の人に「来たよ!」と行って間に入れてあげたりしていた。また逆に立見の人の足がつかれたら後の椅子に座らせてもらったりと、安席ならではの和気あいあいとしたいい雰囲気があった。

    文字を使ったシンプルな演出

    今回の演出はもう何年も前からこのバイエルン国立歌劇場で行われているもののようだけど、現代的で大変シンプル。

    本当は華やかなパーティが行われているという設定だけど、実際の装飾は出演者の後ろに「Lucrezia Borgia」という文字が実際に掲げられているだけ。

    シンプルなこの舞台演出が、悲劇の寒々しさや、各人物の性質を浮かび上がらせる効果を持っているよう。
    この演出はエディタ・グルベローヴァの主演でDVDにもなっているので、興味のある方はぜひ。

     10回を越えるカーテンコール

    ミュンヘンではお馴染みの演出、鉄板の出演者ということで、幕が終わった後の観客の熱狂は凄まじかった。
    それほどエディタ・グルベローヴァ演じるルクレツィアの最後の絶唱はもの凄かった。

    実は私、今まであまりグルベローヴァは好きではなかった。
    声の高さや技術はすごいけど、どうしてもそのぶん声が硬く聞こえてしまうし、悲しみや尖った怒り、ヒステリックな表現には合うけれど、例えば魔笛の「夜の女王のアリア」などは、個人的にはもうちょっと憎悪や野心などの厚みがほしいと思ってしまう。

    ただ、今回のルクレツィアとしてのグルベローヴァは、これ以上ないというほど役にハマっていた。
    子を捨てた母の悲しみ、家名を侮辱されて怒る自尊心の高さ、そして自分の毒で息子を死なせてしまった絶望など、それぞれの感情がグルベローヴァの声にのっているのが分かるし、最後の絶唱などは一部しゃがれた低音を出したり、絹のような高音を絞り出したりと、感情と技術のバランスが素晴らしく、本当に涙がでるほどの苦しさが伝わってきた。

    またルクレツィアの夫ドン・アルフォンソを演じたAlex Espositoも素晴らしいバリトンで、深い歌声とユニークな役作りが良かった。

    ミュンヘンの聴衆もかなり満足したようで、拍手とブラボーの声が全く鳴り止まず、おそらくキャストは10回ほどカーテンコールに登場していた。
    写真は8回目くらいのカーテンコール。
    カーテンコールに出てくる度に観客も興奮してもっと拍手が続いてしまうので最後にはキャストも困ってしまっていたのだけど、、しかし観客にこれだけ熱狂的に愛されれば歌手のレベルもあがるだろうなと、バイエルンオペラの上手さの一端がわかったような気がした。

    • Donna Lucrezia Borgia:Edita Gruberova
    • Don Alfonso:Alex Esposito
    • Gennaro:Pavol Breslik

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