映画「プロジェクト・ヘイル・メアリー」雑感

数年前の映画化決定から楽しみにしていたプロジェクト・ヘイル・メアリーを見てきた。

原作(から私が想像していたもの)より1.5倍くらいはっぴーな映画。

アンディ・ウィアーの原作映画化はその知識量から結構間引かないと映画にならないし、『火星の人』でもそうだったんだけど、『火星の人』がわりとショートカットな詰め込み方だったのに対して、今回は脚本的にもツイストがあって、味付けも足されている。
それが原作ファン的には気になるところもあると思うけど、個人的には許容できる範囲だし、あのストーリーを映画として収めて成立させた時点で頑張ったなと思う。

演出としてはビートルズたちが地球に向かって出発する時にかかる『Two Of Us』が好き。

すこしどうかなと思ったのは、ロッキーのキャラクター。
ロッキーが思ったよりかわいい!…んだけど、それってロッキーを対等なエイリアンではなくって天才犬くらいの扱いにしてないかと疑問にも思ったり。
彼は不屈の精神を持つ善で器用なエンジニアなので。
映画だと可愛さとか、ちょっとした強引さみたいな、主人公に寄り添う愛すべきキャラクター的な仕上がりが強すぎたかな〜と。
でもグレースの性格も少し変わっているので、映画としてはそのくらいのバランスがいいのかもしれない。

かなりの困難なミッションを一個一個課題解決していく二人の頑張りと関係性はやっぱり見ていて楽しく、そして自分の想像の中でぼんやりとしかわからなかった船の姿や宇宙のイメージが美しく描かれているのは本当に素晴らしかった。

実質一人芝居で頑張っているライアン・ゴズリングの演技も良い。
時々は強い意志を持ったものすごくかっこいい人になるのに、一方ではダサい負け犬感もうまくて。その時々がとても自然で「こういう人いるよな〜」という感じ。
グレースの、いい人だし『自分は至ってノーマルです』と思ってるのに、その実クレイジーというとんでも人格にぴったりだった。
あと『関心領域』にも出ていたザンドラ・ヒュラーさんもすごく存在感があっていい。抑制された強さの表し方とか。

蛇足だけど、、、映画を見ていて、地球が寒くなって作物が取れないしエネルギーが足りなくなるっていうんだったら、アストロファージで地球を温めることはできないのかな??簡単に増やせるんだったら、せめて人間の食料と電気は間に合わせられないもの?
…と思ったものの、アストロファージを作るにはそれ自体に結構な熱量が必要なんでしたね。

映画ではいろんな設定が省かれているので、あれ??と思うところもあって、翌日また原作を読み直して、そういえばそうだったと色々再理解。
見たあと・読んだあとに、こうだったら?こうしてたら?と色々考察できるのもSFの楽しさだと思う。